2000.09  LECTURE
北京国際グラフィックデザイン展覧会 講演

北京国際グラフィックデザイン展覧会
講演原稿/杉崎真之助 杉崎真之助です。大阪から来ました。日本で二番目に大きい都市です。
私の名前は皆さんの名前と比較すると大変長ったらしく難しく聞こえることと思います。
話の方は長すぎないようにしたいと思います。



コンピュータによる自由な組版

グラフィックデザインの中でもっとも重要な要素が文字です。
文字は形、大きさそして字と字の間のすき間のとりかたによって大きく表情が変わります。
文字は、活字の時代からコンピュータの時代になったことによって、自由に表現できるようになりました。

文字を重ねる

漢字は意味を表す文字です。ひとつひとつの文字の中に意味が込められています。
漢字を重ねてみる。すると意味が消えたてカタチだけが見えてきます。
未知の文字と出会ったような驚きを感じがします。
日本の「かな」は漢字の音を日本語に置き換えたものから始まりました。
「あかさたな」という平仮名の字と字の間を狭めていく、重ねていく。すると音が消えてカタチだけが見えてきます。



文字を織る 文字を編む

文字を繰り返す 大きくする小さくする、重ねる、裏返す。
すると漢字の意味、かなの表が、新しいカタチとなって現れてきます。



画像を重ねる

以前からフィルムを重ね合わせることに興味がありました。
同じモチーフのフィルムを左右や上下に重ねてみると、元のかたちの奥に隠れているもう一つの形態が現れてきます。




ピクセルスケープ

コンピュータでは画像は細かなピクセル(画素)に分解され、そのひとつひとつの色を数字であらわします。
コンピュータの画像をどんどん拡大していくと、それは四角いカタチをした色の集まりです。
印刷のスクリーン(網点)が美しいように、このピクセルのテクスチャーも美しいと考えました。
そこで2年ほど前に東京でピクセルをテーマに展覧会を開きました。



■デジタルデータと紙の出会い
コンピュータの中の作品は、拡大しても、縮小しても現実の空間のなかでは大きさを持っているわけではありません。
それに対して印刷された作品はそれ自体、現実の大きさを持っています。
大きさを持たないものに大きさを与える、
そこがコンピュータのなかの作品を印刷という方法で紙の上に再現することの面 白さです。


作品紹介

最後にでき立ての作品をいくつか紹介します

●美術館のポスター 建築家・デザイナー チャールズレニーマッキントッシュの展覧会  マッキントッシュの名前を重ねることで、彼の作品の写真を使わないで彼の世界を表現してみました


●上海大阪展ポスター  デジタルの文字は自由に変化させていくことができます。


●これは私が初めてコンピュータをつかった作品です。
線の太さの変化させていくことでカタチの表情が変わっていくのがわかります


結論
10年の間にデザインの道具は紙やペンからコンピュータに変わりました。
単に道具が変わったということではありません。
写真や文字といったデザインの要素が、紙やインクといった物質を媒体にすることなく、
自由に流通することができるようになったということです。デジタルデザインの本質はそこにあると思います。

今日は本当に熱心に聞いてくれる皆さんの前でお話することができました。
みなさんにお会いできたことで、北京に来てたいへん良かったと思います。
ありがとうございました。