2001.09  LECTURE
京都造形芸術大学情報デザイン学科 特別講義第1回 講義要約

京都造形芸術大学 情報デザイン学科 特別講義
第1回 講義要約  
講師/杉崎真之助

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京都造形芸術大学 情報デザイン学科 特別講義 第一回 2001
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こんにちは杉崎真之助です。
前期の今日と後期の2回おつきあい願います。
ところで皆さんはどうして私の講義を選んだのでしょう。
早く授業が終わりそうだから、課題がなさそうだから、話が面白そうだから、 
授業中よく眠れるから、でしょうか(^_^)。

今回は私の仕事から特徴的なものを中心にスライドレクチャーをします。
付録として普段は見せないヒミツの
アイデアやネタの詰まった試作資料も持って来ました。

次回はワークショップ形式で
杉崎真之助になってデザインを実際に体験してもらいます。
それではスライドを始めましょう。


●事務所 入り口テーブル 制作エリア


●文字の都市 ひらがなと漢字を50音の文字組で構成したポスター

■コンピュータによる自由な組版
グラフィックデザインの中でもっとも重要な要素が文字です。
文字は形、大きさそして字と字の間のすき間の取り方によって
大きく表情が変わります。
活字の時代からコンピュータの時代になったことで、
文字が自由に表現できるようになりました。

■文字を重ねる
漢字は意味を表す文字です。ひとつひとつの文字の中に意味が込められています。
漢字を重ねてみる。すると意味が消えてカタチだけが見えてきます。
未知の文字と出会ったような驚きを感じませんか。
また、日本の「かな」は漢字の音を日本語に置き換えたものから始まりました。
「あかさたな」という平仮名の字と字の間を狭めていく、重ねていく。
すると音が消えてカタチだけが見えてきます。


●漢字 I RO HA  カタカナ I RO HA


●漢字/かな/カタカナ


●これは先程の文字をハンコにしたものです。


●これはそれをお皿にプリントしたものです。


原形 循環 進化

■文字を織る 文字を編む
文字を繰り返す。大きくする、小さくする、重ねる、裏返す。
すると漢字の意味、かなの音が、新しいカタチとなって現れてきます。


●文字の織物


●モリサワ広告 モリサワカタログ


●美術館のポスター 大阪府立現代美術センター

■昨年上海に行きました。


●これはコンピュータで書いた上海と大阪という文字です。


●このように、デジタルデータの文字は自由に変化していきます。

文字はコミュニケーションデザインのもっとも重要な要素です。
鉛の活字から写真技術による活字へ。そしてデジタル書体へ。
デザインの道具は紙やペンからコンピュータに変わりました。
これは単に道具が変わったということではなく、
写真や文字といったデザインの要素が紙やインクなどの物質を媒体とせずに、
瞬時にまったく自由に流通するとができるようになったということです。



●これは今回制作したポスターの文字の部分です。


●これがポスターに仕上げたものです。

■画像を重ねる
次に画像の話をします。
以前からフィルムを重ね合わせることに興味がありました。
同じモチーフのフィルムを左右や上下に重ねてみると、
元のかたちの奥に隠れているもうひとつの形態が現れてきます。


●Designer Today


●Invisible Shape展


●NipponJin展@サンパウロ


●NipponJin展 メイキング風景

■ピクセルスケープ
コンピュータでは画像は細かなピクセル(画素)に分解され、
そのひとつひとつの色を数字で表します。
コンピュータの画像をどんどん拡大していくと、
それは四角いカタチをした色の集まりです。
印刷のスクリーン(網点)が美しいように、
このピクセルのテクスチャーも美しいと考えました。
そこで2年ほど前に東京でピクセルをテーマに展覧会を開いたのです。


●ピクセル画像


●Pixelscape展

コンピュータの中の作品は、拡大しても、縮小しても
現実の空間のなかでは大きさを持っているわけではありません。
それに対して印刷された作品はそれ自体、現実の大きさを持っています。
大きさを持たないものに大きさを与える、そこが
コンピュータのなかの作品を印刷という方法で紙の上に再現することの面白さです。

■作品紹介 
ではその他の作品を紹介していきましょう。



●個展告知
インターデザイン コミュニケーションとタイポグラフィの催し
福堀展覧会_新聞紙 松下電器75周年 京都1000年物語_CDROM
おてん_ショップツール
マッキントッシュとグラスゴースタイル展_サントリーミュージアム

■若手デザイナープロデュース


●ナニワフォント展告知ポスターと会場風景

■2008大阪オリンピック招致
3つのテーマ 火=情熱 水=自然 人=熱気
今日開催都市が決定されます。


●報告書 バナー


■古い作品をいくつか紹介します。


●これは私が初めてコンピュータを使った作品です。
線の太さの変化させていくことでカタチの表情が変わっていくのがわかります。

■結論
10年の間にデザインの道具は紙やペンからコンピュータに変わりました。
単に道具が変わったということではありません。
写真や文字といったデザインの要素が、紙やインクなどの物質を媒体にすることなく、
自由に流通することができるようになったということです。
デジタルデザインの本質はそこにあると思います。

時間が少し残っています。
せっかくの機会ですから普段聞けないことを質問してください。
それから、最初にお約束のアイデア帳ヒミツ公開をします。
これは自由参加です。
帰られる方、次回にお会いしましょう(^_^)。