2003.09  LECTURE
オオサカデザインフォーラム ワークショップ 参加型体験トーク 講演

オオサカデザインフォーラム ワークショップ 参加型体験トーク
扇町インキュベーションプラザ 2003.7.23
講師/杉崎真之助

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杉崎真之助 オオサカデザインフォーラム 参加型体験トーク
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■イントロダクション
杉崎真之助です。わざわざお越しいただきありがとうございます。
対話形式で自由に質問などをいただきながら
カジュアルに参りたいと思います。


■情報をデザインする

★定期

これは定期です。
一見、適当に作ったようなデザインの悪い見本にみえます。
しかし、一瞬に識別できるように長い期間に改良されていった
しっかりとした構造を持っています。
駅の区間、使用期間/期日、種類、金額などの要素が重要度によって
うまく配置されています。
瞬時に情報を識別できるすばらしいデザインではないかと思います。



★新聞

ご覧のようにこれは金曜日の日経新聞朝刊の一面です。
時間のない編集環境であるにもかかわらず見出し、本文、写真、カットにより変化に富んだ構成になっています。



1段11字80行、1段約850字、下の広告3段分を除いた12段でだいたい10000字、全面で12750字です。
実際の本文は5000字余りです。他は見出しや写真などで占めています。
これがいい案配に紙面にゆとりを持たせているのでしょう。



見出し/カット、写真などの自由な使用に対して
本文は、文字の大きさ、段組はまったく変化しません。
他の書体も絶対に使いません。記事量が多いから少ないからといって
文字が大きくなったり小さくなることもありません。

これは本文と段組が基本単位であり基本システムであるからです。
一見ランダムで感覚的に見える紙面ですが、実はこのシステムによって、
統一感、一貫性、安定感を生んでいるのです。
また、変化に富んだ紙面のバックグラウンドを提供しているのです。

★街の地図

これは事務所の近くで撮影したものです。
よく街で見かけるゲリラ的な地図です。
一見すると地域周辺地図に見えます。
しかし、よく見るとすべての建造物が入っているわけではありません。



つまり、広告料を支払ったところしか載せていないのでしょう。
これは実は地図ではない。本質は広告料を取るためのしかけなのです。
支払ったところの名称を大きく表示することだけが目的なのですね。
地図のふりをする、偽物のデザインでしょう。
デザインは見かけでないといいましたが、これは見かけも心がけも良くないデザインです。

★地下鉄路線図

これは、ロンドンの地下鉄路線図です。(1330年 ハリーベック)
よく見かける路線図の原型ですね。
本質を理解してその後素晴らしいダイアグラムが数多く作られましたが、表面だけまねたものも多く見られます。
デザインは過去の資産を改良しながら発展してきたと思います。
デザインの原型をしっかり見定め、その思想、志、システムに注目しなければならないのです。
定期、新聞、地図と話をしましたが、デザインは表面的な部分でなく、そこに隠れている構造が重要だと思います。
ここでちょっと話題を変えましょう。




■印象をデザインする



何に見えますか。麒の字がヒントです。
左から サッポロ アサヒ 麒麟 サントリーのビールですね。
デザインは心に残る印象を設計することでもあるわけです。

★アフォーダンスaffordance

取っ手があるとそこを持って使うのだ、ことがわかるしかけです。
JギブソンJames Gibsonの造語です。
行動の動機づけのデザインといったようなものです。



★デザインの器

デザインを料理に例えます。
デザインで重要なことは、しっかりとした器にしっかりとした材料の料理を感動的に盛りつける、ということでしょう。



お皿=デザインの器、基礎構造、土台
substructure 基礎構造 土台
grid, format, column, margin, size, guide lineなど明示的暗示的な基礎構造
明示的暗示的なデザインの基礎構造です。


雑誌のフォーマット グリッド 本文文字
WEBページの画面設計の基本構造
PPのマスターページ

料理=デザインの具 コンテンツ
内容contents superstructure上部構造 建物
テキスト、図 写真 など情報エレメント

★結論

デザインは
整理整頓>構造化 情報の設計
感動を届ける 印象設計



資料data 構造architecture 情報information
data>context>information 資料に文脈を与えたものが情報

●情報の設計 整理整頓 構造 architecture
●印象の設計 感動
のお話をしました。


■デザインの発見



これは30年あまりの私の変化です。
特に私の20世紀の最後の10年はデザインに対する考え方が大きく変わっていった時代です。

★1988 マックと出会う



マックとの出会いは、物質、距離、時間からの開放でした。

★文字を重ねる 文字を織る 文字を編む

漢字を重ねると音や意味が消え、形だけが浮き出てきます。



★画像を重ねる

画像をシンメトリーに重ねていくと生命の原型のようなものが見えてくきます。



★ピクセルスケープ

高解像度を競った時代にピクセルという画像の最小単位のディテールも美しいのであると考えました。



★2002 Elementism

単純な形が集積していくことで私たちの知覚から規則性が消え、観察者の心の中に新たなテクスチャーが生まれる、というような実験的作品です。



★Lam Hung
香港のLam Hung さんが大阪という都市と私の作品の関係を研究したものです。


休憩の後 私の最近の仕事をみながらお話を続けます。


■最近の仕事の紹介

★仕事スライドショー

★クールベ ブランドロゴ>クールベロゴ>ポスター
大阪美術館 印象派 クールベ



絵が暗い 場所が不便っぽい なんとか多くの人に来てもらいたい



普通に考えるとこういう作品が選ばれます。



やはり少女の顔は強いですね。
メッセージ性 印象 瞬時に理解する



有名な画家であるという記号が欲しいと考えました。

★モリサワ
モリサワとうい文字の会社のホームページをリニューアルしました。



★オリンピック



■まとめ
いままで
 ==情報をデザインする
 ==デザインの発見
 ==最近の仕事
をご覧いただいたわけですが、過去のものをお見せするしかないわけです。

では、いまから何をしていきたいのかをお話ししておきたいと思います。

★design>>creation
design
conception >>information+impression>>communication
creation

★事務所の理念
事務所のWEBに記した理念を紹介します。
>>情報の美学、印象の美学
>>情報のデザイン
>>印象のデザイン
>>簡明なデザイン
>>創造のデザイン
>>協調のデザイン


そろそろ時間がなくなってきました。
対話形式で進めてきて、いろいろな興味深い意見をお聞きすることができました。
このようにプロから一般の方まで、また幅広い年代の方にお集まりいただき、自由にデザインについて語り合える機会をもっと持ちたいと思っています。
今日は本当にありがとうございました。