2011.02  LECTURE
杉崎真之助字体工作坊展

タイポグラフィを理解するには ふたつの大事な要素がある。
 ひとつは文字の形。もう一つは文字の意味。
 なぜなら、文字はコミュニケーションのための記号。
 日本語では 表意文字の漢字と、表音文字の仮名と組合せて記述する。
 仮名は漢字が変化した文字。

このワークショップでは、最終作品だけではなく、プロセスを重視する。
 その制作過程を記録することで、受講生だけではなく
 多くの学生が このワークショップの経験を共有することが可能になる。

受講生は仮名の骨格を理解するために、紙に大きな仮名を描いた。
 この行為によって、手と道具と体を全体で仮名の字形が記憶される。
 初対面の仮名に対する緊張がほぐれ、自由な発想が獲得される。

受講生は段階的に漢字と仮名の関係を理解していく。
 仮名を設計する。次に漢字と仮名を組合せる。最後に自由に文字を構成する。
 一連の過程がレイアウトとトリミングによりポスターに抽出された。

このプログラムは日本語のタイポグラフィを理解することが目的ではない。
 中国語と漢字の比較を通して理解することで
 中国タイポグラフィの表現力の幅と質をより高めることにある。
 私は構築的な中国語に情緒的な日本語の感覚が加わることで漢字によるタイポグラフィに
 新たな可能性が生まれることを期待している。

今回のワークショップと講演は、私にとっては中国と中国語をより理解するための旅でもある。
 このすばらしい機会を与えていただいた王雪青学院長、韓緒学部長、俞佳迪担当教授をはじめ
 協力者に感謝する。そして学生たち。私の授業への情熱に灯をつけてくれたのは学生の熱心さである。

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